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図1.地球上の水の分布

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出典)ソ連IHD委員会報告(1974)より作成。
図のように淡水資源はわずか3%弱で、しかもその70%は南極・グリーンランド島・高い山岳上に氷河として固定されている。残り30%近くは土層と永久凍土内に貯えられている。人類の生存を支えている河川・湖沼内の水は、全淡水量(35×106?q3)の0.51%にすぎない。沢山の降水をもたらす大気中の水蒸気量は全淡水量の0.04%で、水深に換算すると25?oになる。これは約10日分の降雨をまかなうだけである。残り355日分はどこから補給されるのだろうか。
この疑問に答えるには、1.5億?qの彼方の太陽から地球へ入射する放射エネルギーを動力として、海洋−大気−陸地−海洋の間で地球規模で行われている水の循環に注目しなければならない。その様子が図2に示されている。地球表面の約70%を占める海洋面から、平均して1400?oの水が蒸発し、大気中へと運ばれている。一方、海洋上には1270?oの降水があり、その差315mm(陸地面積に換算)は、大気の大きな流れ(大気大循環)に乗って大陸上へ運ばれ、降雨形成に大きく貢献している。大陸上には平均800?oの降水があるが、約60%は植生からの蒸散と裸地からの蒸発によって再び大気中へもどる。残り40%、すなわち315?oは河川や地下水流として海洋へ流出している。

 

 

 

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